有馬の氏神様にお参りし、
清々しく夏を迎える
2022年12月27日
有馬歴史散歩
日本書紀にも記録が残るなど、1300年以上の歴史を持つ有馬の湯治文化。
太閤秀吉をはじめ、数々の偉人たちが心と身体を癒したとされる名湯へ、この冬、湯治の旅に出かけませんか。
有馬温泉の守護神として、また、有馬の氏神として崇敬されてきた湯泉神社。その歴史はとても古く、延長五年(927年)撰上の「延喜式神名帳」で有馬郡の大社に数えられているほか「日本書紀」では、舒明天皇・孝徳天皇・白河法皇等の参拝も記録されています。
有馬温泉の起源にも由縁があり、神代の昔、湯泉神社の祭神である大己貴命(オオナムチノミコト)と少彦名命(スクナヒコナノミコト)が人々を病気から守るために、薬草を探して国々を旅していた時、傷ついた三羽のカラスが赤い水を浴びて傷を治療しているのをご覧になり、有馬の温泉を発見したと伝えられています。湯泉神社の長い階段をのぼった先に見えてくる本殿の鴨居には、この伝説のカラスが彫られているので、お参りの際には探してみてください。
仁西上人有馬再興(1191年)の伝記の頃からは熊野信仰の影響を受けて、熊野久須美命を併せ祀り、有馬温泉鎮護三神と呼ばれるようになりました。湯泉神社は、皇室や武将などからも敬われ、有馬の温泉や街を守り続けてきた神社なのです。
さて、湯泉神社をはじめとする多くの神社では、6月と12月の晦日に「大祓式」が行われます。「大祓式」は、日常生活の中で知らず知らずに犯した罪や心身の穢れを人形に託して流し、祓う神事です。6月30日に行われる夏越の祓では、一年の前半を無事に過ごせたことに感謝するとともに、穢れを祓い、元気に夏を過ごせるよう祈願します。
また、この時期神社の境内に、チカヤという草で編まれた茅の輪という大きな輪がつくられます。この中を8の字を書くように三度くぐりぬけることで、厄を落とすことができるとされています。有馬の起源をたどりながら心身を清め、夏に備える。そんな初夏の旅をぜひお楽しみください。
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