有馬の道は、一日にして成らず
2022年12月27日
有馬歴史散歩
日本書紀にも記録が残るなど、1300年以上の歴史を持つ有馬の湯治文化。
太閤秀吉をはじめ、数々の偉人たちが心と身体を癒したとされる名湯へ、この冬、湯治の旅に出かけませんか。
有馬の道は、一日にして成らず
大阪や神戸から有馬に抜ける有馬街道。有馬道とも呼ばれたその道は、歴史を遡ると五つのルートがあったとされています。最も歴史があるのは神崎(尼崎市)から伊丹(伊丹市)、小浜(宝塚市)、生瀬(西宮)を経由して有馬温泉にたどり着く「湯山街道」と呼ばれるルートです。湯山(ゆのやま)とは有馬温泉のことであり、有馬温泉が摂津国有馬郡湯山村にあったことに由来します。
深江(神戸市)から六甲山を越えて有馬温泉へ抜ける「魚屋道」(ととやみち)も、有馬街道を語る上で欠かせないルートのひとつです。現在では六甲山の登山道としても大人気。年間を通じて賑わいをみせる魚屋道も、特に新緑の季節には休日のみならず平日にも多くの登山者で賑わいます。江戸時代に深江の浜でとれた魚を有馬へ運ぶために利用されていたことから、その名が付いた魚屋道。当時はこれが深江から有馬へ抜ける最短ルートであり、新鮮な魚を届けるにはベストな選択肢でした。ただし、実はこの魚屋道は幕府未公認。本来であれば、魚屋たちは芦屋・西宮から小浜・生瀬・船坂を通り、有馬へ向かう幕府公認の正規ルートを通る必要がありました。にもかかわらず、魚屋たちは遠回りを嫌って魚屋道を利用したことにより、正規ルート上で宿などを営む商売人たちは大きな痛手を被ることとなります。そのため、両者の間ではしばしば争いが起きたそうです。
その後、明治になると交通が自由化。誰もが魚屋道を往き来できるようになったことから、魚屋道は湯治客にも多く利用されるようになりました。しかし、明治七年に阪神間を走る官営鉄道が開通。住吉駅ができてからは、住吉川沿いの住吉道(有馬道)が人気になっていきました。
魚屋から湯治客へ。そして、ひとたび廃れて、登山客へ。時代の変遷とともに、さまざまな人々に愛されてきた魚屋道。紆余曲折の歴史を知ると、見える景色もより一層趣深く感じられるのではないでしょうか。
新鮮な魚を届ける神戸-有馬間の最短ルート
明治時代に有馬では朝の4時ごろから朝市が開かれていたそうです。深江の魚屋たちはそれに間に合うよう、夜中の12時に出発し、4時間かけて有馬まで魚を運んだと言われています。
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