淡路「三年とらふぐ」の秘密
2024年12月19日
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福良港で育てられる最高級ブランドふぐ
この時期を代表する味覚「ふぐ」。当館におきましても「てっちり」や「てっさ」といった定番をはじめ、趣向を凝らしたさまざまなお料理をご用意しております。兵庫県では、南あわじ市の福良港で育てられる淡路の3年とらふぐが有名です。日本を代表するブランドふぐとして確固たる地位を確立する3年とらふぐは、なぜ美味いのか。その秘密を探りに福良港の生産者・寺千代水産を訪ねました。
3年とらふぐの最大の特徴は、通常の2年養殖をさらに1年延ばす育て方にあります。この長期育成により、平均1.6キロという立派な体格に成長し、旨味が凝縮された最高品質のふぐに仕上がります。2年物が約1キロ程度で出荷されるのに対し、3年かけることで身質の違いは歴然。その品質の高さは、京都の料亭でも高く評価されていることからも明らかです。一方、ふぐはデリケートな魚であるがゆえ、通常より1年も長く育てるのは容易なことではありません。常時6万匹ものふぐを養殖される寺千代水産では、刻一刻と変化する自然環境の中でストレスを最小限に抑えるために、きめ細やかな管理が行われています。例えば、突発的な大雨による塩分濃度の変化や急激な気温変動の影響を最小限に抑えるため、気象情報を常に観測。事前に給餌量を調整するなど、都度対策を講じられているそうです。また、ふぐ同士の喧嘩も怪我やストレスに繋がることから、年に1〜2回の歯切りを実施。餌についても独自の工夫を施すなど、管理作業は多岐にわたります。それでも無事に出荷できるのは全体の6割程度。コントロールできない自然環境の中で育てることの難しさがわかります。
寺千代水産の寺岡さんは語ります。「私たちがやっているのは自然の恩恵を最大限に活かすこと。効率的ではありませんが、だからこそ天然物に引けを取らないふぐを育てることができる。3年とらふぐを召し上がる際は、自然の恵みを感じながら味わっていただけるとうれしいですね」。ふぐの旬は春の彼岸まで。過ぎゆく冬の恩恵をぜひ当館でご堪能ください。
南あわじでとらふぐの養殖が始まったのは約50年前。最盛期にはたくさんいた生産者も、後継者不足により現在は4社を残すのみだそうです。
人間同様、お腹一杯まで食べるとストレスになります。そこで、寺千代水産では餌の量を調整し、適度に動ける状態をキープ。徹底したストレス管理が上質な身を育んでいます。
餌には魚粉やミネラル等を含んだ固形のペレットを使用。しかし、そのままでは消化に負担がかかるため、寺千代水産では栄養を加えた上で前日から水に浸して柔らかくしてから与えるそう。
お酒がすすむふぐの唐揚げ。瀬戸内海の高速潮流に鍛えられ、引き締まった身の旨みと食感を存分にご堪能いただけます。
ふぐの美味しい食べ方といえば、やはり王道のてっちり。締めには、ふぐの出汁が滲み出た雑炊をお愉しみください。
オス一匹から一対しか取れない貴重な白子。特に栄養を蓄えているこの時期は、クリーミーで味わいも濃厚です。
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