有馬籠の芸術作品
2024年12月19日
美を紡ぐ調度品
一期一会を愉しむ有馬籠の芸術作品
六甲山系の良質な竹を職人の手で竹ひごにし、伝統技法で編み上げる「有馬籠」。有馬人形筆と並ぶ伝統工芸品であり、花籠をはじめとする茶道具や生活道具としてこの地に息づいてきました。当館では中央館ができた際に、有馬町内に工房を構えておられる有馬籠職人・轡昭竹斎氏に館内に飾る作品の製作を依頼。現在も食事会場「六甲苑」をはじめ、随所で神戸の地名にちなんだ氏の作品をご覧いただくことができます。中でもどなたにでもご覧いただけるのが、1階北館入口の廊下奥にある作品です。同作品のテーマは神戸の「御影」。御影という地名は、神功皇后がこの地に湧く美しい泉「沢の井」にその御姿を映したことからその名が付いたという説があります。同作品はその御姿を竹細工によって表現したものです。
轡昭竹斎氏は作品の完成時が最終形ではないと語ります。真竹、孟宗竹、雲紋竹など、性質や色柄の異なるさまざまな種類の竹を組み合わせて作られる有馬籠は、年月を重ねるごとに色合いが変化し、新たな表情を見せる。一期一会の芸術であるところが魅力であり、それはお客様の一期一会の旅を大切にする当館の理念にも通じるところです。当館へお越しの際は、そのたびに作品を鑑賞し、新たな表情をお愉しみください。
豊臣秀吉の時代に千利休の好みによって花籠をつくり始めたのが起源とされる有馬籠。明治後半から大正の最盛期には70人余りいた職人も現在では轡昭竹斎氏の竹工芸有馬籠くつわさんのみだそうです。
有馬籠くつわ(本店) 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1049 ☎078-904-0364
10:00-17:00 ㊡水曜定休
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