太閤秀吉が愛した錦秋の有馬へ、歴史を辿る旅
2026年10月6日
宿泊プラン
日暮らしの庭に残る、太閤の面影
山々が錦に染まり、有馬の町が一年で最も華やぐ季節。紅葉を愛でながら歩く道すがら、目を凝らせば、いたるところに歴史の面影が息づいています。その背景を知れば、紅葉狩りの愉しみも、いっそう奥深いものになるはずです。
有馬の町には、秀吉ゆかりの物語を今に伝える場所が点在しています。紅葉の名所・瑞宝寺公園は、秀吉が色づく木々をいくら眺めても飽きなかったことから、「日暮らしの庭」と呼ばれるようになったと伝わる場所。伏見城から移されたと伝わる旧山門や、秀吉が用いたと語り継がれる石の碁盤など、錦に染まる木立の中には、今も太閤の面影が静かに残されています。
そのほか、秀吉の有馬滞在や茶会の様子を伝える文書が残る善福寺、秀吉遺愛と伝わる「亀の手洗鉢」が残る愛宕山公園、秀吉が造らせた湯山御殿へ金泉を送っていたと伝わる「願いの湯」こと極楽泉源も、それぞれ太閤ゆかりの物語が息づく名所です。有馬にこれほど秀吉ゆかりの場所や物語が残るのは、天下統一の途上から晩年まで、秀吉が幾度もこの地を訪れ、湯治や茶会を愉しむしむだけでなく、温泉の復興にも力を注いだからです。天正十一(一五八三)年の初入湯以降、再三有馬を訪れ、慶長伏見地震後には大規模な温泉改修に着手しました。こうした長く深い関わりが、寺院や泉源、伝承など、町の随所に今なお太閤の記憶を残しているのです。
旅をもう少し広げれば、約一年十か月に及ぶ三木合戦の舞台となった三木城跡をはじめ、兵庫県内にも戦国の世や大坂城の歴史を今に伝える場所が点在します。燃えるような紅葉を眺めながら、史実と伝承が織りなす物語を一つずつ辿る。いつもの紅葉狩りとはひと味違う、錦秋の歴史旅へ出かけてみませんか。
瑞宝寺公園
明治初期に廃寺となった瑞宝寺の跡地に広がる、有馬随一の紅葉の名所。園内には約2500本のカエデが連なり、秋には一帯が鮮やかな赤や黄に染まります。
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町500-19

天下人の智を移す碁盤
園内に残る、秀吉が用いたと伝わる石の碁盤。囲碁は戦国武将のたしなみの一つとされ、戦略を磨く遊びとしても親しまれました。紅葉を眺めながら碁を愉しんだという、太閤の風雅なひとときを伝えます。
←写真提供:国立国会図書館所蔵

山門に残る、秀吉の馬印
伏見城から移されたと伝わる旧瑞宝寺山門。梁上の蟇股には、秀吉の馬印「千成瓢箪」の意匠が残ります。時を重ねた門を鮮やかな紅葉が包み、有馬の秋景色を今もなお美しく描き出しています。
極楽泉源
秀吉が造らせた湯山御殿へ金泉を送っていたと伝わる、「願いの湯」こと極楽泉源。阪神・淡路大震災で極楽寺の庫裡が損壊し、建て直しに伴う発掘調査で、安土桃山時代の風呂跡などの遺構が発見されました。現在は太閤の湯殿館で、その遺構を見学できます。
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1039-1
愛宕山公園
温泉街を見渡す愛宕山の山腹に広がる公園。湯泉神社からさらに石段を上れば、秀吉遺愛と伝わる石造の「亀の手洗鉢」が残ります。木立の間をゆっくり上り、眼下に広がる有馬の町と、太閤ゆかりの伝承を訪ねてみてはいかがでしょうか。
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1617

◁ 亀の手洗鉢
有馬温泉の復興に力を尽くし、四季を愛した秀吉。遺愛と伝わる「亀の手洗鉢」が、今もその面影を伝えます。
善福寺
秀吉から湯山の代官を任され、当時の古文書が今に伝わる古刹。現在も有馬大茶会の献茶式が営まれるなど、茶の湯との縁も深い寺院です。秀吉が阿弥陀堂の僧の頭の形を写し、千利休に命じてつくらせたと伝わる茶釜など、太閤の時代をしのばせる物語が残ります。
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1645

◁ 利休供養塔(善福寺境内)
秀吉ゆかりの県内スポット
有馬から少し足を延ばして、県内に点在する秀吉ゆかりの地を巡りませんか。

越木岩刻印群
大坂城を支えた、東六甲の石切場
大坂城の石垣用石材の採取地と伝わる越木岩。御神体・甑岩を切り出そうとすると白煙が上がり、石工が倒れたため断念したという伝承が残ります。境内には今も、石を切り出した矢穴や刻印が刻まれた岩が点在します。
〒662-0092 西宮市甑岩町5-4

三木城跡
天下取りへの転機、三木合戦の舞台
天正6年から約1年10か月に及んだ三木合戦の舞台。羽柴秀吉軍は付城と土塁を築いて補給路を断ち、別所長治らは城兵の助命と引き換えに自害しました。城跡と周辺の付城跡・土塁は、国指定史跡となっています。
〒673-0432 兵庫県三木市上の丸町5

清荒神清澄寺
秀吉の庇護を受けた、火の神の古刹
平安時代に創建され、火の神・かまどの神として信仰を集める古刹。『宝塚市史』には、秀吉が有馬へ入湯した折、清澄寺が菓子折を献じたことが記されています。太閤の有馬滞在と寺の関わりを伝える記録のひとつです。
〒665-0837 兵庫県宝塚市米谷清シ1 清荒神
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